婦人科がんの予防と早期発見
ページ内目次
子宮頸がんは予防することが可能ながんです。
子宮頸がんの一次予防(HPVワクチン)
HPVワクチンは、わが国では2009年に販売が始まり、一時は接種率が70~80%を維持していましたが、2013年にワクチン接種後の副反応(失神・意識レベルの低下・疼痛など)が繰り返し報道され、厚生労働省は接種の積極的勧奨の一時中止を通知、接種率は著しく低下し、現在に至っています。2015年に世界保健機構(WHO)がHPVワクチンの安全性について次のようなコメントを発表しています。
「日本でみられた慢性疼痛などの症状は、ワクチン接種と関係なく発症することもあり、ワクチン接種は安全に行うことが出来る」
オーストラリアでは2007年より12,13歳の女子、2013年からは女子に加えて男子にも学校でHPVワクチンの接種が行われています。ワクチン接種プログラムの導入後、12~24歳女性におけるHPV感染率は優位に減少しています。日本の現状では、若年女性のHPV関連腫瘍を予防できず、実質的な害をもたらす可能性が指摘されています。日本産婦人科学会からも、「HPVワクチン接種の積極的勧奨の早期再開を強く求める」声明が発表されています。HPVワクチンを接種することで、子宮頸がんの発生を70~90%予防できると考えられています。
「日本でみられた慢性疼痛などの症状は、ワクチン接種と関係なく発症することもあり、ワクチン接種は安全に行うことが出来る」
オーストラリアでは2007年より12,13歳の女子、2013年からは女子に加えて男子にも学校でHPVワクチンの接種が行われています。ワクチン接種プログラムの導入後、12~24歳女性におけるHPV感染率は優位に減少しています。日本の現状では、若年女性のHPV関連腫瘍を予防できず、実質的な害をもたらす可能性が指摘されています。日本産婦人科学会からも、「HPVワクチン接種の積極的勧奨の早期再開を強く求める」声明が発表されています。HPVワクチンを接種することで、子宮頸がんの発生を70~90%予防できると考えられています。
子宮頸がんの二次予防(子宮頸がん検診)
子宮頸がん検診は、20歳以上を対象として2年に1回が提言されています。欧米諸国が70~80%の受診率であるのに対し、わが国では42.3%であり、とりわけ、20~24歳の受診率は15.1%ときわめて低いのが現状です。子宮頸がんの罹患率のピークは30代前半であり、一次予防としてのHPVワクチンの重要性は大前提ですが、二次予防としての検診受診率の上昇が課題です。20~30代の若い女性こそ、子宮頸がん検診を積極的に受けて欲しいのです。
タバコを吸う人は、吸わない人に比べて2.3倍のリスクがあると報告されています。
症状がないうちから定期的に、継続して受けることが重要です。初期の段階で異常が分かれば、治療で完治できて、多くの場合その後の妊娠、出産にも影響がありません。
タバコを吸う人は、吸わない人に比べて2.3倍のリスクがあると報告されています。
症状がないうちから定期的に、継続して受けることが重要です。初期の段階で異常が分かれば、治療で完治できて、多くの場合その後の妊娠、出産にも影響がありません。
恥ずかしいという気持ちはあると思いますが、あなたの勇気(子宮頸がん検診)で、
あなたの命と、これから生まれてくるかもしれない新しい命を守ってください。
子宮体がんの早期発見
子宮体がんは、ライフスタイルの欧米化とともに近年増加傾向にあり、日本全国で年間16,000人が診断されています。閉経後に多いとされていますが、閉経前にも発生します。出産経験がない人、肥満、高血圧、糖尿病、乳癌の既往がある人に高率に発生します。40歳ごろから増加して、50歳から60歳代でピークを迎えます。
子宮体がんの検診は国の指針では勧められていませんが、子宮体がんは症状が進行していない早期の段階で不正出血を起こすことが多く(90%)、少量でも出血があればすぐに医療機関を受診することで早期発見が可能です。出血は褐色の帯下(おりもの)だけの場合もあるので注意が必要です。
子宮内膜細胞診による癌検出率は約90%と報告されています。
子宮体がんの検診は国の指針では勧められていませんが、子宮体がんは症状が進行していない早期の段階で不正出血を起こすことが多く(90%)、少量でも出血があればすぐに医療機関を受診することで早期発見が可能です。出血は褐色の帯下(おりもの)だけの場合もあるので注意が必要です。
子宮内膜細胞診による癌検出率は約90%と報告されています。
子宮頸がんと子宮体がんの違い
頸がんの特徴 | 体がんの特徴 | |
---|---|---|
がんのできる場所 | 子宮の入口付近 | 子宮の奥の胎児が育つ場所 |
子宮がんに占める割合 | 70% | 30% |
なりやすい年齢 | 30~40歳代 20代から30代も増加傾向 |
特に50~60歳代 近年年齢に関係なく増加傾向※ |
原因 | ヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染 | 女性ホルモン(エストロゲン)の影響、ホルモンバランスの崩れ |
一般的になりやすいといわれている人 | 妊娠·出産回数が多い 性交開始年齢が早い 性交渉の相手が多い 免疫力が低下している |
閉経後肥満、高血圧、糖尿病 ホルモン療法を受けている 不規則な月経 妊娠·出産の経験がないまたは少ない |
卵巣がん
卵巣がんのリスクが増大する要因には、加齢、出産経験がない人、子宮体がん・乳癌・大腸がんの既往、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、子宮内膜症、肥満、排卵誘発剤の使用、閉経が遅い、初潮が早い、高齢で第1子を出産などがあります。
一般的な卵巣がん検診法は、経腟超音波検査とCA125採血です。毎年行うことで、末期患者を減らし、予後の改善を図れる可能性があります。
一般的な卵巣がん検診法は、経腟超音波検査とCA125採血です。毎年行うことで、末期患者を減らし、予後の改善を図れる可能性があります。
一般的な卵巣がん検診法は、経腟超音波検査とCA125採血です。毎年行うことで、末期患者を減らし、予後の改善を図れる可能性があります。
一般的な卵巣がん検診法は、経腟超音波検査とCA125採血です。毎年行うことで、末期患者を減らし、予後の改善を図れる可能性があります。
閉経後には、気軽に婦人科での受診、検査を受けてみてください。
参考文献:厚生労働省・国立がんセンター・日本産婦人科学会・MSDマニュアル・SGホールディングス
市立湖西病院 婦人科 三宅 若葉